昔の自分と今の自分

ずいぶんあいてしまいました。

　診察中なのですが、小児ガンのテレビをみていました。
内容は亡くなられた本人、ご家族に敬意と色々な意味で尊敬しました。
自分の子供が生きた証のひとつとして残したのかもしれませんが、
すばらしいお子さんでした。

テレビでの最後の言葉は母親の
｢愛している」の言葉に
朦朧とした意識の中
「俺も（おらも？）」

診察中のテレビなので、涙腺を抑えるのに必死でした。
患者さんが来なかったのが幸いでした。

こういう番組をみて昔の自分と今の自分は変わったなぁと思います。

昔の自分を知っている人は、今の自分をみるとかなり違う人だと思うかもしれません。

昔の自分は若いという意外にも、尖っていたというか冷静というか、
冷たく、近寄りがたい人だったと思います。

このようなテレビをみても、
昔なら仕方ないとか、わざと感動するように作っているとか、
冷静に考えても仕方ないことだと思っていました。
涙腺が緩むことなんかありませんでした。

どこか、変な角度から見ていたのでしょうね。

ここ何年かの自分が昔に戻れて、自分に説教できるならしてやりたい。

「お前がひねくれているのだよ。そんなトゲトゲしていて何の意味がある？
人が寄り付かないのは、ちっともいいことではない。愚かなだけだ。
自分が丸くならないかぎり、いつか自分が追い詰められるだけだよ。」

もし同じような人がいれば、早く気がついてくださいね。

私は人生で色々なことがあり、やっと気づきましたが
かなり遅かったように思います。

今の自分が、このようなテレビやその状況の人などをみると
その人の周りのことや、親の気持ち、子供の気持ち
全部理解しているとは思えないけど、少しは感じるようになったと思います。

そのようなことを感じるだけで、人にやさしく出来ると思います。
人にやさしくなれるということは、自分にもやさしくなれる。
やさしいだけではだめですけど。

もちろん人間ですから、頭に来ることもありますし、イライラすることもあります。
そのとき、頭にきても、消化できたらすぐに忘れて、普通になるようにしてます。
昔より短い時間で。

自分は今も昔も出来た人間ではないのですが、
昔よりは成長したと思えるように生きたいです。